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「もう…!ほんと意味わっかんない!どうして侑磨と同じところ怪我しちゃうわけ!?」
階段を登りながらちゆが文句を言っている。
「はぁ!?そんなのこっちの台詞だよ!大体お前がちゃんと前見てたらこんなことにはならなかっただろ!?」
「な、何よ、あたしのせいなの!!?」
「はいはい、落ち着いて…」
二人がヒートアップしてきたところを大悟が間に入る。
あれからすぐに3人は保健室へと向かった。
その間にも二人が痴話喧嘩を繰り広げていたのは言うまでもない。
そして養護教諭に治療をしてもらい、侑磨とちゆの二人はおでこの真ん中におそろいのガーゼが付けられている。
今はその事がテーマとなっているようだ。
(全く…。侑磨も侑磨だけど、ちゆもちゆだよな。本当に侑磨関係になると周りが見えなくなるというか…)
大悟はそんなことを考えながら廊下を歩く。
そして、階段のすぐ近くにある『2年C組』と書いた扉の前で立ち止まり、ドアノブに手をかける。
やや古い引き戸を引くと、ガラガラという何かが軋むような音が聞こえ、クラス中の視線が先頭の大悟に集まる。
「おいおい、遅刻だぞ」
それに気づいた世界史の先生が黒板から向きを変え、3人に注意をする。
「遅れてすいません。後ろの二人が新入生殺しにぶつかってしまって…」
そんなことを言いながら大悟が振り返る。
「はんっ、大体そんなに俺とのお揃いが嫌ならさっさと取ればいいだろ!?」
「な、なぁっ!!?そ、それは…」
何の罪もないのに素直に謝っている大悟を鮮やかにスルーし、侑磨とちゆの二人は相変わらずの言い合いを続けている。
(ふむ、今日もちゆの劣勢か)
言い合いをしている二人を黙ったまま見た大悟が思う。
「全くお前らはまたいつものか…!!剣はともかく、そこの二人はまだ続けたいなら入ってくるな!」
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