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「そうなんだよなぁ…。しかも、一方的な双子テレパシーを使うし…」
「何それ?」
タコさんウィンナーの次に卵焼きを口に運んでいたちゆが手を止める。
そのちゆの表情は少し不満げだ。
「なんていうか…俺の行動が全部見透かされてるんだよな…って、あ」
そう言って侑磨がポケットに手を突っ込み、ゴソゴソと何かを探している。
「どうした?」
「そう言えば朝侑撫にカギ借りてたんだ。ちょっと返してくる」
そう言って侑磨がポケットから熊のキーホルダーが付いたカギを取り出す。
「あ、それって今流行りのキャラクターだ」
そう言ってちゆが目をキラキラとさせて言う。
「へぇ…そうなんだ」
さすがは女の子、と大悟は感心する。
「そうなのか?よくわかんねぇけど…とりあえず行ってくる」
そう言って立ちあがり、侑撫のところへと向かう侑磨。
「……」
その姿を箸を口にくわえたまま、ちゆが寂しそうな顔で見ている。
(…双子の姉に会いに行くだけなのにそんなに寂しい顔しなくても…)
そう思っていた大悟だったが、数秒後にその理由が判明する。
『あー!侑磨君だぁ!どうしたの?』
『侑磨君今日もパンなの?あたしのおかず食べる?』
侑磨が侑撫に近づいたと同時に女子の中にあるであろう謎のセンサーが働く。
そしてブザーが鳴ったように女子の高い声が教室中に響く。
「……」
(なるほど…な。侑撫さんと同じ顔してるんだから、そりゃ当然と言えば当然か)
ふとちゆの方を見る。
「なっ…!?」
さっきまで口にくわえていだけの箸が、いつの間にか手と口の2か所に存在している。
(おいおい、そこまで怒らなくても…)
パンを食べていた手を止め、はぁ、と大きく息を吐いた。
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