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考える暇もなく、愛兎は俺の手を掴んでそのままアパートの二階へと上がって行く。 半ば強制的に彼女の部屋に連れ込まれ、「適当に座ってて」などと言われ、仕方なく小さなテーブルの側に座った。 愛兎の部屋は意外にもさっぱりしていた。特に生活に不必要な物は無く、小さな植木鉢が唯一のインテリアだろうか。 (とりあえず整理するぞ。俺はさっきコクられた。そんで俺は愛兎と一緒に帰った。うん。ここまでは普通だ。それから家に連れ込まれた。家というのは異性の家。しかも彼女。つまり) 「おかしくね!?何この超展開!こんなんどのマンガにもラノベにもありゃしねえぞ!付き合った初日に……うええ!?」 一人呟く俺。ヤバいテンションがおかしい。俺にも心の準備ってものがあってだな……
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