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辰川(Tatsukawa)学園。別に進学校ではないが、特別バカというわけでもない、ごく普通の高校。 そこに俺は入試でギリギリに近い点数で入学した。聞くところによると、合計点はビリから二番目だったらしい。 だが入ってしまえばどうという事はない。とりあえず二年間は遊べる。 謎の高揚感に包まれ、俺は自分のクラスである1年4組に入った。 知ってる人こそ少なかったものの、一目でお調子者と分かる男が数名おり、このクラスは問題児のクラスだと確信する。 俺は他人とはあまり関わりを持たない方で、面倒事を回避するためなら全力を尽くすような男である。 本末転倒である。ええ分かってますとも。 ただネット上ではお調子者キャラを貫き通しており、知り合いも多数いる。 オタクと言われればはっきりとノーとは言えないのだが、アニメは人気の物を少し見る程度で、別に二次元に嫁なんていない。 だから三次元に恋なんざ求めないような人種でもないワケで、男の本能で、俺はこれから一年を共にするクラスメイトの女子へと自然と目を向ける。
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