基地害世界とテキサスのダブルロデオ

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その日はいい天気の筈だが、日差しは弱くなっていた―――要は今日はナイトレース―――それを見て赤基調の白◎のスーツを身に纏ったダリオ・フランキッティはあることを危惧していた―――結局これがこのレースのポイントになる――― 「しかしな、ジャックよ考えろよ。なんで2レース目はグリッドくじ引きなんだ?」 バーサスのキャスターに今更な質問をするダリオ。 そうテキサスはダブルヘッダー。しかも2レース目はグリッドくじ引きなのだ。 一方、ネコミミ娘―――ウィルパワー――も、危惧していた。 彼女はIRLを制圧していた。だが、彼女はシリーズを失った。 問題はただ一つ。オーバルでの実力だ。 そしてこのテキサスでは、アメリカンオーバル典型例のDシェイプ、そしてバンク角は20度以上。 不安要素だらけだ。 ペンスキー自体の状況も気になる。前戦ではレースに入る事も厳しかった。 オーバルでマシンを超える事は許されない。そのミスで王座を失った事もあり、彼女が消極的になることは当然だ。 「なもん気にすんなよ~お前は充分速いだろ~なあ同胞よ、KVに比べりゃこれは夢だろ?」 随分とハイテンションな男。まるでこれからナンパかの雰囲気を醸す男。 彼は変人ぞろいのこのシリーズで最も個性的で、シリーズ最大のインディ500を3勝している。 エリオ・カストロネベス 『同胞』とは、KVの新メンバー、TKことトニーカナーン。 「まあな、でも俺達も速いぜ!!琢磨と気が合うんだよなwwwww」 これは事実らしい。もう一人のビソはチームの速さには付いていききれないようだ。 「あまり慰めにならないニャ!少し不安増えたニャ~」 ………エリオは時折親切心が違うベクトルに進んでしまう。去年のエドモントンがいい例だ。 セレモニーが始まる。 TVリポーターの質問をこなしながら、ドライバー達はレースへ向かう………
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