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「う、うーん…」
僕は、まるで長い眠りから覚めたかのように、ゆっくりとまぶたを開いた。
そして、開いた視界に入ってきた光景を見て、最初に口から出てきた言葉が、
「え…?」
だった。
僕の目の前は、少し離れた位置にある、青黒い壁のような物で覆われていた。
よくよく見れば、それがとても低い天井だという事に気がつく。
あと、天井が青黒い色な訳ではなく、周囲全体が薄暗闇に覆われているせいで、そんな色になっているということにも。
天井は、僕の目の位置から、おそらく1mも離れてはいない。
その中央あたりに、薄くて平べったい、ちょうどスマホくらいの大きさ、形をした、長方形のでっぱりがあるのが、かろうじて視認できた。
…僕は、こんな天井には見覚えはない。
し、自分が今、どういった状況に置かれているのかも、さっぱり理解ができない。
状況を確認するために、さっきから視界の端に映っている、天井よりも少しだけ明るい空間に目を向けてみることにした。
首を真横の、微かな光りが差し込んでくる方向……右方向へと、ゆっくり倒す。
「……窓ガラス……?
それに……森……?」
視界に入ってきた光景は、今、まさに僕が口にした通りだった。
目の前には、側面に設置された窓ガラスと、その向こうに映る、薄暗い木々の群れ。
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