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光彦側の後部座席に村岡さんがいた事から、『もしや…』と思い、さらに首を左側に捻った。
自分の後部座席を確認するために。
村岡さんから視界がスライドし、真っ先に僕の目に飛び込んできたのは、銀色のプレートだった。
小さな長方形の形をしたそれは、月明かりにでも照らされてそうなっているのか、今もキラキラとした弱い光りを跳ね返している。
そして、その極微弱な明かりに照らされていたのは、僕のもう1人の幼なじみの顔だった。
ショートカットで、モデルのように整った顔立ちをした、織波(しきなみ)の顔だ。
どうやら、光りを反射する銀色のプレートは、織波のネックレスから垂れ下がっていた装飾品のようだ。
そして、織波の全身に目をこらすと、上半身は、肩から下を露出させた、ピチッとした黒いシャツを、
下半身は、やはりピチッとした、光沢のある黒いミニスカートを身に着けていた。
特にスカートの短かさは半端ではなく、例え今が初夏だという事を踏まえても、露出度が高すぎる気がする。
僕は今まで、織波のこんな露わな姿を見た事がなくて、すごくドギマギした。
少し視線を外そうとして、村岡さんの方に視界を戻しかけた時。
「う…」
…隣りから、声が聞こえた。
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