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「ごめんね、友達から電話で。」
みくが両手を合わせて、下を向く。
「みくさ、最近ケータイばっか弄ってんじゃん。ちょっと見せてみ。」
俺は箸を置いた右手を前に出す。
「ダメ、ダメ。別に地元の友達だって。なんか、こっちに来るかも、とかで連絡取ってるだけ。」
「じゃあ良いじゃん、見せてみって。」
俺はもう一度右手を突き出す。
「ほんとに大丈夫だから…ね?ほら、早く食べないとご飯冷めちゃうよ。」
みくは味噌汁に口をつける。
「熱っ!!」
(ガシャーン)
「キャー!!」
持っていた味噌汁をまるごと机の上にこぼす。
「ったく、何やってんだよ。大丈夫か?」
俺は急いでタオルを持って来て、みくを拭く。
「ごめん、ありがと。」
みくが涙目で答える。
「何泣いてんだよ。早く着替えて来いよ。」
俺もなんだか照れくさくなって、別のタオルを取りに行く。
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