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――がちゃっ、がちゃがちゃっ。
深夜、鍵を回す音が響いて飛び起きた。
久しぶりに早く帰宅出来たから日頃の疲労を取り除く為にも早めにベッドに入ったはずだった。のに、
「あーやーべー!」
「ま、またきち?」
合い鍵を持っているのはたった一人。
愛しい恋人の又吉くんだけ。
ただ今日の又吉は……なんか違う。おかしすぎる。
「あやべー、入ってええ?」
「うん、え?またきち?なんか顔赤くない?」
「そんなことないて、」
紅潮した頬、呂律の回ってない口、こいつ…
――ぎゅう。
「ちょっ、またきちどうしたの?」
「……あやべ、めっちゃすき。」
明らかに酔ってる!!
こいつ絶対酔ってる!!
だってあの又吉が自分から抱き着いてくるなんて!こんな積極的なはずない!!ましてやこんな……好き、だなんて言うはずないって!!
「あやべ、聞こえてるで。もうええわー。こんな俺はいやなんやろ」
「え?聞こえてた?違う違う違う、嫌とかじゃないって!嬉しいけどさ!」
「…けど、なんやねん」
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