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「お疲れ様でしたー!」
深夜まで続いた収録がやっと終わった。
最後の最後が困ったLOVEて…かなりしんどかったけど自分より明らかにパートが多い20代女子二人は全く疲れたそぶりなど見せずはつらつと歌って踊っていた。……若いなぁ。
「「まーたよーしさん!」」
「お疲れ。二人とも元気やなぁ。」
「まだまだ若いですから!そ・れ・よ・り!」
「又吉さんってよく見るとすごい綺麗なお顔ですよね!」
「え?なんやねん急に。」
女子二人は今まで俺になんか見せたことの無いような笑顔で近づいてくる。
「困り隊のMATAのメイクってギャグ線じゃないですか!それはそれで面白いんですけどガチでメイクしたら又吉さんすごい可愛くなるんじゃないかなって!」
「無理やろ…俺ヒゲ濃いし女顔ちゃうで」
「そんなのはメイクでどうにでもなりますよ!」
ねーっ!と二人で意気投合してるが自分をおもちゃにされるなんて溜まったもんじゃない。
そっと隙をついて逃げようとしたがやはり女子は強い様で有無を言わさずメイクルームに連れて行かれてしまった。
「大丈夫ですって!あたし達がついてますから!」
何が大丈夫なのか理解できない。
だが逆らうことも出来ずただ目をつぶれ、上を向けなどの命令に従うしかなかった。
数十分後、好き放題に色んなものを塗られた俺の顔を見て満足そうに二人は笑った。
「すごーい!やっぱり思った通り!」
「やばい!超可愛くなった!又吉さん鏡見て下さい!」
可愛くなるはずないやん…。
渋々、壁掛けの鏡を見てみる。
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