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「……うわ。」
「可愛いでしょ?」
「いやぁ…可愛くはないと思うねんけど……でも変わるもんやな。」
「今度これで困り隊やりましょうよ!」
「それはあかんやろ、……化粧落としてええ?」
「だめでーす。写メ撮りますよ!」
二人は勝手に写メを撮りだした。
もうはよ解放してくれんかなぁ…
――ガチャ。
「お疲れー!何してんの………あれ?またきち?」
「綾部さんお疲れ様ですー!見てくださいよ、又吉さん超可愛くないですか?!」
「あたし達ふたりでメイクしたんですよー」
ああ、一番厄介な奴が来た。これが
綾部じゃない誰かだったら笑われて終われたのに。
恐る恐るちらりと綾部と目を合わすといつもうるさく色々とツッコんでくる綾部は意外にも何も言わない。………と言うか絶句しとる?
引かれてもうたかな?
「………」
「引いてるよなぁ。やっぱり。」
「………」
「綾部?」
「またきちー!!!!」
「うわっ?!」
絶句の後に大絶叫されて俺は全く何が起きたのか理解できなかったが思い切り腕を引かれてメイクルームから連れ去られている、途中。何故か。
「ちょぉ、何すんねん!」
「いいから来いって!!」
ぐいぐいと腕を引かれて着いたのは誰も使用していない空き部屋。
入るなりすごい必死な顔で綾部が迫ってくる。
「またきち、俺以外にその姿見られた?」
「いや……見られてへんけど。てか何やねんいきなりこんなとこ連れてきて。」
「あー……よかった。じゃあ俺だけなんだね。」
「だから何やねんて」
「俺以外に見せちゃだめだよ、そんな可愛い顔」
「はぁ?」
至極真面目な顔して俺を見る綾部。
何を真面目に言ってんねんそんなこと。
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