二度寝で見る夢

2/2
前へ
/61ページ
次へ
ウェーブがかかった髪の毛を撫でてやる。 少し額が汗をかいていたので拭ったら体をよじった。 眉間に皺を寄せて薄く目をあけた又吉と目が合う。 「おはよ。」 「………」 まだ寝ていたそうにもぞもぞと布団に潜り込もうとするのを阻止して布団を剥がす。 心底迷惑そうな顔をして睨まれるが寝起きのせいか全く恐くなくて寧ろ半目で間抜けだ。 しかも上半身裸で下着しか身につけてないから昨晩の情事の跡がそこかしこに見えてしまう。 「またきちの体、えろい。」 「…誰のせいやねん。服、」 色白の体に赤いキスマークはよく目立った。 全部俺が付けたものだし、又吉は俺の、ってちゃんとわかってもらわなきゃね。周りにも、勿論又吉にも。 服取れ、って言われたけど、隠しちゃうのは勿体無いから聞こえない振りして抱き締めた。 今日はオフだし、ほら、昨日の夜を思い出しちゃったからさ。 「離れろや、起きるんやろ」 「……勃ってきちゃった」 「そんなん知らんわっ!」 力任せにベッドから逃げようとする又吉を引っ張ってまた抱き締める。 暫くバタバタして逃れようとしてたけど唇を塞いだら大人しくなった。 相変わらず可愛いなぁ、又吉は。 「エロいことしないから、このまま一緒に寝よう?」 「……ほんまに?」 「うん、またきち抱いてたらあったかくて眠くなってきた、」 ほんとはやらしい事もしたいけどさ。 逃げられちゃったら敵わないからだったらこのまま離さないよ。 「せっかくのオフだし、時間はまだまだあるから後でヤることにしよー」 「せえへんわ」 「とりあえず今はおやすみ、」 おやすみのキスをして、ふたりでベッドに潜る。 まだ眠かったのかすぐに寝息を立て始めた又吉を抱きしめながら眼を閉じる。 眠っている又吉にひとつ、ふたつ、と呼吸を合わせて、眠りに落ちた。 end
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

39人が本棚に入れています
本棚に追加