片恋

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わかってるよ。 認めたくなんかないけど。ほら、俺勘鋭いし。 又吉も、意外とわかりやすいから。 「やっぱり俺とじゃ、嫌?」 「ちゃうねん、…そうじゃなくて、」 「違和感あるのはしょうがないよ、俺はあいつじゃないし」 「……ごめん」 ネタ合わせを何度やっても又吉が微妙な顔をするのは、無意識に俺にあいつを重ねちゃってるから。 気づいてないの?本当に。 俺は大丈夫だよ、俺は又吉の隣にいれるだけで嬉しいから。 そりゃ俺だけを見てほしいけどさ。 いつか、俺だけを見てくれるって信じてるから大丈夫。 「元々、お前はあいつとだからこの世界入ってきたんだし。」 「…ごめ、」 「謝んなって、これから俺らじゃないとできないようなすげーの作ってさ、売れるように頑張っていけばいいんだよ。これからなんだから俺ら!」 「……ありがとう、綾部。」 本心だ。これが。 これからなんだ、これから。 だから、あいつに嫉妬なんかするもんか。 (だけど、止まらないのは、欲望か愛か)
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