235人が本棚に入れています
本棚に追加
「どれくらいで着きますかね?」
タクシーに乗りしばらくして何か話題が無いものかと考えた結果、これが浮かんだ。
「………そうですね。1時間ちょっとですよ」
バックミラーで一瞬こちらに視線を向け答える運転手さん。
「そうですか……」
…………。
無理でした。はい。
というかこんなにコミュニケーション能力無かったかなぁ……自分。
まぁ……空気が空気だから仕方ないのかな?運転手さん見るからにベラベラ話すタイプじゃなさそうだし。
………はぁ、前いた国のテンションのままだからなぁ。まず、日本のテンションに慣れないと。
そう思いつつ携帯を手に取る。開くとメールが届いていた。
誰かな……と楽しく考える必要もなく、宛先は親父からだ。というかこの携帯親父のしか入っておりません。早く友達作ってメルアドの交換でもしたいなぁ……。
ま、メールの内容はもう着いたか的なことだったんだけど。
「………ん。よし」
適当に返事を書いて携帯を閉じた。さぁ、本格的に約1時間が暇になったわけだ。
何をしようにも何も持ってきてない。ゲームといった類も持ってないし、得意じゃない。
ここに来る前は日本の教科の参考書とかも読んでたんだけど、もういいし………。
…………そうだな。寝よう。
元々そんなに寝れてなかったし、このタクシーの絶妙な揺れ具合良い眠りを誘いそうだ。
そんな事を考えて小さなバックを枕にして寝てみる。
あぁ……バックにタオルが有るせいかいい枕具合だ。
ん?もちろん寝転がってはいませんよ?窓のところにバックを立てかけているから。
それにしても、いい。だんだん眠くなってきた。
オレの目蓋は徐々に重くなっていき、やがて目の前は完全な闇に支配された。
最初のコメントを投稿しよう!