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「・・・所で話が変わるが、俺達が『この時代』に戻って来た事をどう思うよ。ソイル」
「さぁな、俺には理解ができない・・・俺が言えるのは、これが死ぬ間際の夢か、もしくはこれが『あの世』って奴なのかもな・・・」
「かもな・・・っと言いたいが、ソイル。落ち着いて聞いてくれ」
「どうした?」
双牙の何処か納得が行かない様な、焦りを含んだ声色に眉を潜め、彼に今一度俺は問うた。
「東方のキャラが、俺の目の前にいる・・・リグルが・・・・俺の部屋にいるんだが・・」
「ああ、その事だが何故か俺も先程、射命丸と両親と飯を食っていた。どういう事だ?ここは幻想郷と現代の壁がないのか?それとも夢か?」
「お前の方もか・・・何がなんだか、俺にも分からないが。これだけは言える、俺達は『生き返った』。これだけは覆しようがない」
「・・・ああ、そうだな・・・」
「この肉体の感覚・・・・バーチャルにしても違和感がなさ過ぎる。まぁ、せっかく生き返ったんだし、しばらくはのんびりするぞ俺は。お前は?」
「俺に平和は似合わんよ・・・1週間程体を鍛えなおしたらまずは近辺に奴らの痕跡がないか調べて回るつもりだ。俺は確かめなければならない・・・これから、この世界でまた戦争が始るのか、否か・・・それが奴らに対して、最後まで戦い抜いた俺の宿命だ」
前世とでも言うべき時代の最盛期に比べれば今の体の貧弱な筋量に体力に、思わず舌打ちをする。幸い、体感覚の衰えはない事から、今までに培った経験は何もかもこの魂、いや、精神に残っている為に肉体の調整のみですむのは本当にありがたい。
だからといって、1週間で一般人の状態から、最低限の戦闘行動に参加できるだけの肉体に仕上げるのは、ハッキリ言って無謀を通り越して不可能に近いが、やれるだけの事をしなければ、ただ死ぬだけだ。
ならば俺は生き残る確率が少しでも増すのならば、この1週間で戦える肉体に戻す。それだけだ。それに肉体強化のみに絞る訳だから案外、良い所までいけるだろう。
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