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ーーーーーーー光が見える。何時ぶりになるかもわからない肉眼での太陽光の暖かな光を瞼の裏に俺は感知した。
「ん・・・・・っ・・・・・くっ・・・・こ・・・・こ・・・・・は・・・・?」
いきなりの肉体の感覚に戸惑いを覚えながら、目を開ければパチリと瞼が開き、視界いっぱいに広がるプカプカと陽気に漂う白い雲と目も覚めるような青空が飛び込んできた。
服装も何時も身に着けていた装備一式ではなく半袖に短パンと言うラフな服装。おまけに草むらにのんびりと寝込んでいるという素敵仕様。
肉体は何時も通りの感覚だが、何やら体が重く感じる。
「・・・・・状況は?」
とりあえず草むらから立ち上がり、体に着いた草を払落し辺りをジッと見渡す。目に飛び込んできたのは我が故郷の懐かしい自然に溢れた田舎具合の風景。木々は青々と茂り、そよ風は優しく頬を撫で、川はサラサラとその綺麗な清流を保って流れたままでいた。
「自然が崩壊してない?どういうことだ。奴らの攻撃で自然という自然はなくなったではないか・・・・」
もしやタイムスリップなんて馬鹿げた出来事に巻き込まれたんではないだろうかと一瞬思案するもその考えは破棄。何しろ俺は自爆して死んだのだ。そんなご都合主義あってたまるか。
一番有力なのは死の間際の夢か、それともここがあの世とでもいうのか?
「馬鹿馬鹿しい」
第一、自分の力もそれの根源(ソース)もとんでもないぶっ飛んだものだったが、コレはそれにしてもナンセンスだ。馬鹿馬鹿しくて笑いすら出ない。
ピリリリリ!!!
ふと短パンの中にあった携帯がやかましく鳴り響く。俺はそれを手に取り、通話に出る。
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