V系桃太郎 中

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そう言うとおじいさんは、ゆっくりとした足取りで海が見えるほうへと歩き出した。 ーーーーー数時間後。 俺たちは今、海の上をさまよっている。 なぜなら、遭難という名の迷宮に潜り込んだからさっ。 ああ、俺としたことが、なんて間抜けな目に遭っているのだろう。 全く、こんなに波が強くては、せっかくの船出が台無しじゃないか。 イヌ;「リーダー……、マジ呑気なところ悪いけど、マジヤバくねーーーー!?」 キジ;「ちょ、どうすんのリーダー!? これ絶対ひっくり返るって!!」 サル;「誰かーーー!! 助けてくださーーーーい!!」 ーーーーーそんな俺たちの叫びも虚しく、船は水没した。 キジ;『って………、リーダー全然叫んでなかったじゃんっ!!』 イヌ;『いや、マジでシャレにならなくね?』 サル;『リーダーはなんで、あんなに冷静でいられるんだろう……』 『ふっ、これぞまさしく、水も滴るいい男の原点ではないか』 ーーーーーーーーーー ーーーーーー ーーー
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