存在という名のイノチ。

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―俺は、 死ぬわけにはいかなかった。 死んだら、大好きな空が 見られなくなるじゃないか。 大好きな月や星の瞬きが 見られなくなるじゃないか。 死んだら、俺の存在を 残すこともなく消えることになるじゃないか。 何より、世の中から逃げるように消えるなんて、俺には考えられなかった。 この命。 なんだかんだ言いながら、五体満足でそれなりに育って、生きてるんだ。 それすら望んでも、叶わなかった人だっている。 俺たちは、 十分、幸せな方だ。
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