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ある日の昼下がり。
根詰め過ぎた仕事から一日だけオフを貰った僕は、うっとおしい雨の中買い物がてら散歩に繰り出した。
後ろから、俺も行きます、なんて慌てたように流鬼がついてきた。
ちょっと、うざいねんけど。
仕事があまりにもハードで、吸い殻の山を作ろうもんなら、流鬼にしかめっ面され。
煙草があかんのか、と僕も不機嫌になって、飲み物でも買おうと出掛ければついて来る。
なんやの。
流鬼は僕の恋人というより、監視やね。
そんな皮肉が頭をよぎるが、流鬼はこの雨の中、空気を乱す事もなくついて来る。
これ以上僕を怒らせまいとしているような、流鬼なりの、配慮。
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