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「流鬼…」
「死なせない」
流鬼が雨の中、ぎゅっと僕を抱いた。
「京さんが死にたがっても、俺が京さんを死なせませんから」
端的に言うと、死んじゃやだって駄々をこねられているような。
それを聞いてると、何だか僕のストレスがすうっと消える気がした。
「最近の京さん変だったから…」
そう話す流鬼は、まだ目を赤く腫らしている。
僕はどうして、こんな身近な人間にすら相談できんかったんやろう。
信頼してなかったわけじゃない。
ただ、どこかで…違うバンドだからって、仕事の話を遠ざけていたのかも知れない。
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