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舞台は変わり、校舎のとある一角に佇む生徒会室。
「ふぅ~、要お疲れさん。それにしてもさすがに相変わらずの人気だね。」
ニヤニヤとした表情で彼は言った。彼の名は宮入香(みやいり こう)。要の親友であり、生徒会副会長を務めている。
「いやいや、そんなんじゃないよ。香は言うことがいつも大袈裟だって。」
要はそんな香の表情を見ながら、苦笑いする。
「いいや、大袈裟じゃないって!要が鈍感なだけだよ。実津紀だってそう思うだろ?」
話の間をあけることなく香は力強く言う。話を急に振られた実津紀はやれやれといった表情で一拍置いてから答えた。
「ってか、鈍感ってお前が言える口かよっ。毎日毎日女共に囲まれてるモテモテの香様がよ。まっ、私にはその女共の気持ちなんて全然わかんないけどね。」
「・・・別におれだって実津紀なんかに分かってほしくないし。考えただけで寒気がする。」
実津紀をジッと睨み、ムッとした顔で香が答える。
「ふ~ん、そうですか。」
実津紀は香から視線を外し、席から立ち上がると、
「皆の分のコーヒーいれてくるね。」
と言い残し、給湯室へと向かった。ちなみに如月実津紀(きさらぎ みつき)は生徒会会計である。
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