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「あ~、ようやく終わった。」
香は席から立ち上がり、組んだ手を上にあげ背筋を伸ばした。会議が始まってから一時間程経ち、窓からのぞいてた強い日差しも若干弱まり、陽が落ちてきていることを示していた。
「皆、お疲れ。じゃあ、私は部活があるから先に行ってるね。また、明日。」
雫はそう言うと、カバンをしょって一目散に駆け出し、生徒会室を後にした。
「雫は本当に部活が好きだよな。何か今は弓道一筋だって言ってたしな。」
「うん、大会が近いから練習も大変みたいだよ。今度は絶対に全国まで勝ち進むんだって頑張っているみたい。」
香に続き、唯がそう答える。ちなみに雫と唯は幼なじみで小さい頃からいつも一緒だった。唯は間近に迫った弓道大会での雫の奮発を楽しみにしていると同時に、去年のことを思い出していた。
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