契約

2/5
前へ
/16ページ
次へ
「ごめん。他に好きな人が出来た。お前なら俺がいなくても……」 不意に耳元で発せられた言葉に、僕は慌てて携帯電話の画面を閉じる。 「澤木…人のメールを口に出して読むな」 僕の言葉など全く気にしていない様子で澤木はニヤリと笑い、僕から携帯を取り上げると、僕の机の上に腰をおろした。 「携帯で別れ告げるなんてさぁ、つまんねぇ奴とつきあってたんだな」 携帯のストラップを指でつまみ、ゆらゆらと揺らしながら澤木はつぶやく。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加