本日は快晴なり

6/7
前へ
/7ページ
次へ
☆★☆★☆   「全員整列! 右から点呼用意!」  ザッザッ!  月曜、それは全校集会。 「点呼始め!」 「いッ!」「にッ!」「さんッ!」「しッ!」  月曜、それは校長のグダグダ話との闘い。 「各員、礼ッ!」  月曜、教師の視線を掻い潜り、どう立ち寝をするかの戦争。 「良く聞けウジ虫共! 喜ばしい事にこの男共の檻の中に女子高生が来てくれる! どうだ。嬉しいかぁッ!」  だと言うのに、体育館の壇上に立ってるのは出雲崎晴矢である。しかもやたら口が悪い。軍曹にでもなったつもりか。 「フゥ! ラァ! とても喜ばしい事です上級曹長!」 「ならこの体育祭、楽しむだけで留まるわけではダメだと分かれ! 全員配置に着けッ! これより模擬戦を行う!」 「フゥ! ラァ!」  どうやら彼は上級曹長だったらしい。  事件は、生徒代表で出雲崎が壇上に上がった瞬間に起こった。  時を遡る事、約10分前。 「……では、生徒代表、出雲崎晴」  最後まで言い切る前に、校長の姿が壇上から消えた。正確に言えば、舞台から飛び出た出雲崎に、その荒野を彷彿させる頭を掴まれ、そのまま舞台袖に消えてった。  時間にしてきっかり一分。唖然とした教師が動きだす前に、出雲崎が舞台袖から悠然と壇上に向かって歩く。  ガッシリとマイクを掴み、プロレスラーさながらのマイクパフォーマンスを披露し出した。 「てめえらッ! 爆裂重大臨時ニュースだ! 良いか、一度しか言わねえから良く聞け!」  あ、ヤバい。この展開はマズイ。 「なんと、今回行われる体育祭になんと! 女子校の連中が来てくれる事になった! この意味が分かるなバカ共ッ!」 「……うおおおおおおおおおお!!」  少しの間を空けて、飢えた野獣共が雄叫びを上げる。いや勝ち鬨と言っても過言ではない。  そんな雄叫びの中、負けんと言わんばかりの怒声が上がる。 「野獣共、女の子に良い所見せたいかぁ!」 「おお!」 「かっこいい場面を作りたいかぁ!」 「おおおお!」 「なら、死ぬ気で練習しやがれぇ!」 「うおおおお!」  こんな野獣共を、口先だけでどうにかする出雲崎にちょっと身震い。恐怖すら感じる。  そして、現在に至る。 「おおおおおおおおおおおおおおおお!」 「いや、学校行事も大事だが……」  授業はどうする気だ……?
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加