保健室の秘密

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昼休みが終わるまで、あと……十五分とちょっと。 私の机に集まって、お弁当をつつくのはいつもの面子。 柴田桜に鈴木真奈美。 「ねぇ、知ってる? 保健室にさ、ちょっとエッチな秘密があるって噂」 と、各々が昼食のお弁当箱を片付け終えるタイミングを待っていたかのように、少しだけ声を潜めた桜が突然そんな突拍子も無い事を言い出した。 眉毛の所で真っ直ぐに切り揃えられた前髪に、同じく肩下まで伸びた真っ直ぐな黒髪。 クリックリの大きな瞳を縁取る睫毛は、付け睫なんて必要無いんじゃないかってくらい長くて綺麗で。 神様の不公平振りには本気でため息が出る。 でも、この桜。 その日本人形のような清楚な容姿とは裏腹に、それはもうそこら辺のワイドショー好きな主婦も真っ青ってくらい噂話が大好きで。 「は? 何それ。保健室にひみ……」 「えー。何それ何それ!」 いつも思うんだけど、桜ってこの手の噂話、何処で仕入れてくるんだろ。 取り敢えず頬杖を付いて興味無さ気に……って言うか、ホントに興味が無いんだけど。 眉根を寄せる私の声に被せるように、机に身を乗り出して彼女の話に食い付いたのは真奈美だった。
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