毒牙

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「……声、我慢してる?」 とか。 いかにもわざとらしく聞いてくるのって正直どうなの? 当たり前じゃない。 見てわかんない? でも、そんな事を聞いてきたのは自分のくせに。 まるでそうやって、私に声を出さそうとしてるみたいに。 先生は一向に、その腰の動きを止めようとはしてくれなかった。 だいたい、先生は狡い。 上は、はだけられたシャツに中途半端に脱げたブラ。 下は……何も着けていない状態で先生と繋がってる。 私だけこんなに乱れた格好にしておいて、自分はベルト一本弛めてるだけ。 これって……凄く不公平だと思わない? って、こんな事してる最中にそんな事を思ってしまったのは、先生の腰の動きが不意に緩やかになって、少しだけ息を吐く余裕ができたからなのかもしれない。 「残念。こんなトコじゃなけりゃ、弥恵の可愛い声、たっぷり聞かせてもらうのにな……てか、唇。そんなに噛んでたら痛いだろ? これ。その代わりな」 と、先生の腰が再びゆっくりと動き始めたかと思えば。 口にあてがっていた手を外されると、その想いを言葉にするより先に唇を塞がれて……。 微かな煙草の香りがまた、口内に広がった。
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