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ですが、恋はジェットコースター。
急停止は出来ないもので。
『ねぇきんぎょちゃん彼氏出来た?』
『――――まだ‥です。』
『外食とかしてる?』
『もんじゃ行きました。』
お昼時のナースステーション。
偶然ふたりきり。
久しぶりに話しました。
『ちょっとオシャレなカフェとか若い子好きじゃない?』
『好きですよ、好きですけど下町にはないじゃないですか。』
『出会いとかあんじゃない?』
『こんな女子に声かけてくれませんよ。
連れてってくれる人も居ないです。』
いつもなら、ここで終わり。
でも
『それ、俺じゃダメ?』
『えっ?』
『男子って歳じゃないけど、ギリギリお兄さんにしてくれたらうれしいんだけど。』
『えっ?』
『きんぎょちゃんより、東京長いし少しは知ってるし。きんぎょちゃん田舎から出て来たんだから楽しみなよ。』
『ええっ?』
『俺じゃダメ?』
まさか、まさか、まさか。
『‥‥わわわたし、コアラ先生に連れてって欲しい!‥です。』
『本当?』
デスクの下で小さく契った
小指の約束。
わたしの顔は真っ赤だったに違いない。
あの警鐘など、祝福のベルへと姿を変えていた。
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