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「遊びじゃないってば」
「遊びでないはずがなかろうが!」
先程から武士と言い争っている二人組の片割れが、あー!もう!ともどかしそうに声を荒げた。
男子用の童水干を着ている。
しかしよく見ると十二、三の少女である。
整った顔立ちで、美しい黒髪を後頭部の高い所で一つに結び、そして子供用ではあるがとりあえず男装…
一見すると流行りの白拍子に見えなくもないが、その言葉遣いと所作の悪さで白拍子とは考えにくい。
男装の少女は、小柄な肢体を目一杯のけ反らせて目前の武士に対している。
「だからぁ、あたしらはここがどこかも重々承知!真面目も真面目!おっさんがここのお偉いさん方を護る奴らの一員なのも知ってんの!」
「おっさ……」
可愛いげのかけらもない物言いに、武士の顔が引き攣った。
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