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一見すると着物は武士に見えなくもないのだが、長身の割に筋肉が無さ過ぎる。
つまり武士には有り得ないほどひょろ長い。
腰に差しているのは武士の刀ではなく、貴族が身につけるような装飾刀だ。
しかも懐にしまえるような短刀。
脇差しですらない。
とどめはその青白い顔である。
長い前髪から片方だけ伺える目のどろんとしたこと。
その奇妙で不気味な様子に及び腰になりながらも、武士は何とか口を開いた。
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