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―風が鳴いている。 ……そう感じた。 哀しみの声がする。 生暖かい空気。 月は黒い雲に隠れ、都は闇に包まれている。 風ひとつ、ふいていない。全てが止まった世界の中で、その音だけが響いていた。 今上帝、崩御の晩だった。
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