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「失くしまうからだよ」
祖父は静かに、ゆっくりと答えた。
「今まで私を支えていたものが、この世からなくなってしまうんだ。流星雨と共に」
空には光と闇の境界線がはっきりと引かれていた。
その線はまるで私たちと流星雨に歓喜する人々との間に引いかれている様にも見えた。
「その、おじいちゃんを支えていたものって、なに?」
祖父の前だと私は子どものような口調になってしまう。
いや、私は子どもなんだ。彼の前では。
「――信じて聞いてくれるかい?」
祖父は言った。私が肯くと彼は話し始めた。
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