星の降る夜

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「私が星の事を調べたのは、友だちのおかげなんだ」  空が闇に覆われた。人々のざわめきが大きくなった。 「私が小さかった頃、その友だちは一度だけ私に会いに来てくれて、すぐにどこかに行ってしまった」 「その友だち、どこに行っちゃったの?」  祖父は闇に包まれた空を見た。そのまま空に吸い込まれしまいそうなくらい遠くを見て、いった。 「遥か宇宙の彼方に彼女はいるんだよ。  私は彼女のいる場所を探すために星や宇宙の事を学んだんだ」 「そうなんだ」  お伽話みたいな祖父の話はすんなりと私のなかに入ってきたのは、まだまだ私が子どもだからだろう。
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