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そんな彼女へ、困ったように眉根を寄せる大地は、連王寺葉由 (れんのうじ・はゆ) の頭に軽く手を乗せた。
「わ、わがまま言わないで……ねっ?」
しかし、彼女の態度は変わらず、頭を振って大地の手を振り払ってしまう。
そんな彼女の様子を見て、楽しそうに笑うのは茜だ。
「ありゃりゃー? 葉由ちゃんも相変わらずのツンデレぶりだねぇー」
すると、葉由と呼ばれた女子は「なッ……!?」と顔を赤くして茜を睨みつけたが、何も言うことはせず、再びそっぽを向いてしまった。
「すみません、ちょっと機嫌悪いみたいで……」
「悪くなんかない。勝手なこと言わないで」
ペースは完全に葉由のものらしく、大地はただただ、苦笑の色を濃くするのみだった。
北海道代表・札幌南高校と、東北代表・私立青森山田高校の代表が、同じ場所に集まったのには訳があった。
莉緒菜は立ち上がって茜の向かいの席を空けると、大地と葉由にその場を薦めた。
「さ、じゃあ早速始めよう。《神ノ聖国》からのアプローチについて……ね」
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