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この様子では、《都市級》高校全てにこの提案がされてるですね」
「貴様は乗る気なのか、天世」
「そちらはどうですか」
すると、恭二郎は吐き捨てるような侮蔑と共に首を振った。
「誰が従うものか。我々とてそれなりの規模を持つ高校だが、《神ノ聖国》の総数には比ぶるべくもない。これは協同戦線等では無い。下手に出た吸収合併……否、最早併合だ」
すると、雅はその返事がわかっていたかのように、あっさりと頷く。
その瞳に浮かぶのは、疑問。
「私もそう思うです。ですが、そこまでして戦力を増強したい《神ノ聖国》の意図は何です?」
「意図だと?」
問い返して来る恭二郎に、雅はこくりと頷く。
「はいです。仲間になるとは思えない《都市級》高校すら、引き込もうとして来るその態度。感じられるのは、焦りです」
「焦り……焦燥か。だが、それにもまた、疑問が生まれるな。去年は例外としても、絶対王者として《神ノ聖国》が君臨する構図は何も変わらん。
今以上に力を蓄え、一体何を画策する?」
それです、と、雅はそこで一枚の表示枠を恭二郎に示す。
書いてあるのは去年、東京都立第一高等学校が決勝戦で注ぎ込んだ戦力の総数だ。
次々に羅列される驚異的な数字に、恭二郎は苦虫を噛み潰した表情で雅に問い返す。
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