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「これがどうした」
「恭二郎さんがそんな表情をしてしまうです。《神ノ聖国》の戦力は、今のままでも十二分だと考えるですよ」
「――……」
認めたくはないが、厳然たる事実だ。恭二郎は渋々といった様子で頷く。
「これ以上が戦力を増強しようものなら……ましてや《都市級》高校が1校でも味方に付けば、最早我々に止める術は無いぞ」
「それこそ【殺神姫:天殲恋華】の出番と言えるですが、それでは《都市級》高校に手は出せなくなってしまうです」
そこでです、と、雅は背後に纏っていたヤマタノオロチの魔力を解くと、恭二郎に歩み寄って右手を差し出した。
「口約束程度で構わないです。約束してください。《神ノ聖国》の誘いには乗らない、と」
差し出された右手と、雅の瞳を見比べて、恭二郎は、しかし。
「断る」
彼は《Hooliguns》のヘッドパーツを異空間から呼び出し、装備しながら言った。
「《神ノ聖国》の意図は確かに解らん。だが、我々を見下す貴様らが、我々とそんな協定を結ぼうとする意図もまた、理解出来ん」
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