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鈴斗が制止するも、雅は聞く耳を持たない。
帯に挿した扇を右手で勢いよく開くと、その先端の曲線へ沿うように小型の魔法陣を幾重にも配置。
顔の下半分を扇子で隠すように、優雅な構えを取った。
「良いです。私も、力を示さなきゃいけないですから」
「無理すんなよ」
「鈴斗、心配性です」
そして、雅はもう一方の手を前に突き出すと、手の甲を下に向け、指を倒した。
掛かって来い。
無言だが雄弁な挑発に、恭二郎は容赦しなかった。
「――……ッ」
滑るような足運びを見せた瞬間、《Hooliguns》の爆発的な脚力は、高速で恭二郎を雅の元へと運ぶ。
放たれるのは、小柄な雅の腹部を抉り取るための掌底。見れば、掌の中央には小さな砲口が開いており、掌底の着弾と合わせて衝撃波が吹き出す仕組みとなっていた。
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