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「だからね!? 我々もこのままじゃいけない気がするの!!」
「茜、クリームついてるよ……」
聖城学園高校と東京都立第一高等学校のある東京都の、遥か北。
北海道札幌市という雪国は、短い春に入ろうとしていた。
桜もまだ咲きらない5月の始め、北海道を代表する《都市》級高校の首脳陣が、駅前の喫茶店にいた。
嬉しそうにパフェを頬張る小柄な少女と、それを穏やかな笑顔で見つめる女子の2人組だ。
「でも茜、具体的にはどうすんの?」
苦笑しながら、小柄な少女の頬についたクリームを拭う彼女は、サラサラのショートカットがボーイッシュな女子だった。
制服もリボンを外していたり、袖を折っていたりと露出が多いが、健康的な美しい肌が、その姿を下品に見せなかった。
小柄な少女は彼女――……水城莉緒菜 (みずしろ・りおな) の言葉に、両手で拳を握りながら言った。
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