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「パワー押しだけじゃイカン気がするのです!」
「ウチの売りってそれじゃなかった?」
「違うよっ! いや違わないけどさっ!」
どっちよ、と莉緒菜はさらに笑みを濃くする。その笑顔は妹を世話する姉のようなそれだ。
莉緒菜にクリームを拭われているのは、先日、聖城学園へスーパーシード権を与えるかどうかの会議に出席していた少女だった。
北海道札幌南高校、戦争部、部長。
羽生茜 (はにゅう・あかね) である。
彼女は腕を組んで難しい表情をすると、小首を傾げた。
「そろそろパワー押しだけじゃイカン気がするのだけど、具体的にどーすればいーのかわかんないんだよね」
「テクニックを身につければ良いじゃないの?」
特に考える気もなく言った莉緒菜だが、茜は真面目に考えていたらしく、険しい表情のままだ。
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