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「やっぱりパワー勝負だけだと、青森山田とか出雲高校相手には厳しくないー? 《国家級》には言うまでもないし」
「でも実際、練習試合では通用してるじゃん」
「練習試合なんかデータすら取れないよー……。ウチと他の《都市級》高校とを比べてみればいいのかな?」
「――……人のこと言えないけど、極端すぎて参考にならないんじゃない?」
言って、莉緒菜は手元にあるアイスコーヒーのストローを、手持ち無沙汰なふうに回す。
かろん、という涼やかな音に、茜は難しい顔をやめ、再びパフェを頬張りはじめた。
《都市級》高校、第3位。
北海道札幌南高等学校。
男女共学であり、戦争部も男女不問の部活であるが、学校全体として男子の割合が高いのが特徴である。
戦争部においてもその男女比は明らかであり、全部員中、男子部員が8割を占めている。
伝統的に男女比に差がある札幌南高校は、男子の持つパワーを活かした、超ハイパワー戦術を取ることで有名になった。
地殻レベルで地盤をひっくり返したり、巨大な竜巻を引き起こすなど、かつての聖城学園にも似た戦闘スタイルを持つのである。
しかし、聖城学園とは違う点として、大人数で1つの巨大術式を使うという特徴があり、たった1人でその絶大な攻撃力を上回って来る十本槍は、やはり異常といえるだろう。
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