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問題は、術式に大人数を利用しなければならないという、その一点。
個人個人の強化を図ることで、迅速に術式を連発する必要があるのだ。
「ま、それが出来てれば苦労しないよねー……」
複雑な思考を終えて、莉緒菜はため息をつく。
目指すべきスタイルは、昨年の聖城学園そのもの。
人間災害とまで呼ばれた、絶大にして凶悪な力を手に入れるべきなのである。
実際、昨年が見せた、あの理不尽なまでの力押しを今年やろうとすれば、最も近い位置にいるのは札幌南高校であると言っていい。
パワーだけならば、《神ノ聖国》や《死ノ終国》といった超重量級の高校とも互角に渡り合えるポテンシャルを、どうにか今以上に運用出来ないものだろうか?
ふと、莉緒菜は顔を上げて、茜の顔を見る。
すると、何故か茜はこちらを見て慌てていた。
「莉緒菜ちゃんっ! 湯気っ! 頭から湯気吹いてるよっ!」
「ん? おぉ、あぶないあぶない」
軽く頭を振って冷静になった莉緒菜は、コーヒーを少し口に含むと茜に苦笑を向けた。
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