第一章/包帯とドラゴン

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今日も平和な一日が始まる。 … 「はぁはぁはぁ」 あれから結構走ったらしい…。多分、どこかの住宅地だろう。民家がたくさん並んでいる。さっきまで見えていた川も、もう見えていない。 龍雅は民家の塀に寄り掛かり、呼吸を整える。 「アニキ~何処ですか~!」 「そこのバイク達!止まりなさい!」 近くで多数のバイクとパトカーの音が聞こえてくる。 龍雅は塀から、自分が走って来た道を覗いてみる。 岳斗達は龍雅がいる反対方向の道を走って行く。 よし、なんとか巻いたか。 龍雅はため息をはく。 「まったくしつこい奴らだ。」 ガキィィン!! 「ぐっ」 龍雅の頭に痛みがはしる。 ドサッ 「よっしゃ~。やったぜ。今からおれが最強だ~!」 龍雅は倒れながら頭を触ってみる。 「痛って。」 手を見てみると、ドロッとした血がついていた。 クソッ。追っ手に気をとられ、周りを見ていなかった。あいつをぶん殴ってから、最強の座を狙って俺に挑んでくる奴ら出てきた。毎日何処から何をしてくるかわからない。一応気にしてるつもりだったが…。 龍雅は頭を押さえながらフラフラと立ち上がり、殴った奴を見る。 三人…。 殴った奴の他に二人立っている。 「おい、まだ生きてるぞ。」 「あ゛?」 一人の男がしゃべると、真ん中にいた奴が龍雅を睨む。そいつの手には血がついたバットをもっている。 コイツか。 「まだ息があんのかよ。」 口にピアスをした男はバットを肩にのせる。バットには龍雅の血と誰だかわからないが、違う血がついている。 「あのバットで、何人もやってきたってわけか。」 龍雅は小さくつぶやく。 コイツは骨のある奴かもしれね~。ましてや、その他に二人もいたら…。 「さすがは[元]最強。バットで頭ぶん殴っても倒れねーのか。だてに最強名乗ってわけじゃあねえみていだな。」 カッチン! 龍雅の我慢が解放される。 「別に名乗った覚えはね~よ!勝手に俺を最強にしたのはお前等じゃあね~か!」 「おいおい、何キレてんだよ。大丈夫、今から最強は俺になるからよ。安心して死ね。」 クソッ!こっちはやりたくて最強やってんじゃあないんだよ! 一度考えた。他の奴にわざと負ければこの地獄から逃れられると思ってた。けど、新しく最強になった奴が負ければ、勝った奴が疑問をもち、結局俺に挑んでくる…。
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