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永遠に戦わなくちゃいけない…。
「おらおらおらっ、いくぞ!」
口ピアスがバットを振り上げ勢い良く走ってくる。
「ッ!!」
戦いたくはないけど、俺はまだ死にたくない。今の状況で3対1は勝てるはずがない。ましてや相手はバットを持っている。でも、一か八かやるしかない!
龍雅は覚悟を決め、拳に力をこめる。
「うおぉぉぉ!!」
…
「クソッ!」
龍雅は電信柱に寄り掛かる。
「何とか、倒せたな…。」
龍雅の他に三人男とバットが転がっている。
ちくしょう、さすがにバット持っている相手にはてこずるぜ。
龍雅は自分の腕に触れる。
「ッツー…て~。」
どうやら腕を怪我したらしい。服の上からでも良くわかるほどにはれている。腕がまったく上がらない。
「よし、腕は折れていないみたいだな。」
頭も痛いが腕もかなり痛い。まぁ、あいつのフルスイングを腕で止めていなかったら。体の何本かやられてたな…。
龍雅は学ランのポケットの中から携帯を取り出す。
「…。もはや遅刻どころじゃあなくなった。とりあえず、怪我の手当でも…。」
そう言って、バックに手を伸ばす。
「頭には…。」
龍雅はバックを開け、中から白い箱を取り出す。箱の蓋には赤い十と書かれている。その箱を開けると、包帯や消毒液、飲み薬など最低限の治療道具がはいってる。
「このバック、勉強道具一切はいっていないだよな~。」
龍雅はテキパキと頭の怪我を応急処置しいく。
毎日怪我ばっかりしてるから、医療関係身についてきちゃったな~。まぁ、ほとんどおっちゃんのおかげだけど。
龍雅は頭を応急処置して次に腕の応急処置をはじめる。
…
「よしっ!これで大丈夫。」
龍雅はキチンと救急道具をしまい箱の蓋を閉める。龍雅の頭には包帯がグルグルと巻かれている。遠くから見てもわかるくらい巻いている。しかし、それはまるで看護師にしてもらったように綺麗に巻かれている。
「俺も大分プロってきたな。」
龍雅は自分で巻いた包帯を触りながらつぶやく。
だけど…、これが出来るようになったきっかけはさいやくだけど…。
「さてと、学校行きますか。」
龍雅は現在位置を確かめ通学路に向かう。
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