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タカタカタカタカ。
「遠いな~。」
龍雅は学校に向かう。本来龍雅の家から30分で着くのに、さっき逃げ回ったせいで学校からもっと離れてしまった。
「ざっと見て、岬坂地区東街ってところだな。学校の反対方向に逃げちまったのか。」
龍雅の住む街、岬坂地区では街が五つに分かれている。龍雅が住んでいる街が中央街、その他に東街、西街、南街、北街とゆうふうに、中央街を他の街が囲んでいるのだ。
「今、ここらしきってる奴らに会ったら…、まずいな。」
しきってる奴らというのは西街の[最強]である。ここの五つの街には一人ずつ最強と言われる奴がいる。そいつらはその街の最強であり、リーダーである。
「やっかい事は起こしたくないな~。」
龍雅は東央橋と書いてある橋の前に立つ。東央橋と言うのは東街と中央街を繋ぐ橋である。この他にすべての街を繋ぐ橋がある。龍雅は橋を渡りだす。
確かこの街の最強はかなり強いらしい。まだ会ったことはないが、中央街まで噂が来ている。俺はまだ、違う街の奴らと戦った時ないからな。まぁ、戦いたくないんだけどね。
「よし。ここまで来れば大丈夫かな。」
龍雅は橋を渡りきり、振り返る。
どうやら岳斗達も終わったらしい、警察のサイレンの音がしない。
「まぁ、捕まる事はねぇだろ。あいつら警察まくの上手いしな。」
龍雅はまた歩きだす。歩いていると、前から三人の女子校生が歩いてくる。
さいやくだ…。
龍雅は女子校生を見た瞬間、小さく舌打ちをする。
「あっ!ねぇねぇ…。」
女子高生達は龍雅に向かって指を指す。
俺は人が嫌いだ。中でも女子高生が一番嫌いだ。人の事考えないし、人の気にしてる事を平気にしゃあべるし…。
「何々?」
「あれあれ。」
俺は街で危険人物として目をつけられてる。毎日喧嘩して、怪我をして、いつもどこかに包帯を巻いている。
「えっあれって!」
「本物?」
俺には水馳龍雅の他に、もう一つ名前がある。それは…。
「ホウタイ・ドラゴン!?」
そう、俺のもう一つの名前…。[ホウタイ・ドラゴン]。名前の由来は、いつもどこかに包帯を巻いていて、名前の“龍”だから、ホウタイ・ドラゴンってわけ…。
「やばっ!また喧嘩したんだ。」
「包帯ついてる~。」
いっつもこれだ。毎日、外に出る度にあれこれ言われる。まぁ多少は慣れてきたけど…、良いもんじゃない。
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