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“マジ”“ノリ”“ナイス”。
この3つの言葉に共通すること。
それは、
江戸時代の人間が分かるはずのない単語だということ。
少なくとも“ナイス”が分かる人間はまずいないだろう。
外国の言葉、英語なのだから。
「わー土方さん、アレ綺麗!アレ何!?」
「あ?簪だろ」
「あ!あの暖簾も綺麗ー!」
「西陣織だからな。
……つうか…」
土方さんは歩みを止めて、
くるりとこちらを向いた。
そして親が子を叱るような声色で言う。
「お前はしゃぎすぎだろ、
もうちぃと落ち着けねえのか」
「え、だって簪とか暖簾とか綺麗だし」
「答えになってねえよ」
「いいじゃん綺麗なんだから!」
「だから…っ、
はぁ、もういい」
よく分からないが土方さんはこの会話に疲れたらしい。
ため息しながらそう言うと、
また前に向き直って歩き始めた。
ん?ん?
なんなんだまったく。
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