人と話す時は態度に気をつけましょう

2/23
7073人が本棚に入れています
本棚に追加
/1104ページ
“マジ”“ノリ”“ナイス”。 この3つの言葉に共通すること。 それは、 江戸時代の人間が分かるはずのない単語だということ。 少なくとも“ナイス”が分かる人間はまずいないだろう。 外国の言葉、英語なのだから。 「わー土方さん、アレ綺麗!アレ何!?」 「あ?簪だろ」 「あ!あの暖簾も綺麗ー!」 「西陣織だからな。 ……つうか…」 土方さんは歩みを止めて、 くるりとこちらを向いた。 そして親が子を叱るような声色で言う。 「お前はしゃぎすぎだろ、 もうちぃと落ち着けねえのか」 「え、だって簪とか暖簾とか綺麗だし」 「答えになってねえよ」 「いいじゃん綺麗なんだから!」 「だから…っ、 はぁ、もういい」 よく分からないが土方さんはこの会話に疲れたらしい。 ため息しながらそう言うと、 また前に向き直って歩き始めた。 ん?ん? なんなんだまったく。  
/1104ページ

最初のコメントを投稿しよう!