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ヒュウヒュウと音を立てて入ってくる風の冷たさと、
自分の横から聞こえるパチパチと音を立てる熱さに、
変な感覚を覚えて目を開けた。
ぼんやりと開ききらない眼が、
まわりを見渡して少しずつ焦点が合っていく。
ふと自分の手に視線を落とすと、一緒に布団が目に入った。
「(布団……寝てた?)」
自分があのまま気を失ったという事実に気づくまで、
ちょっと時間を要した。
あーそうだそうだなんか頭痛くなったんだよねー。
「…………で、」
自分のいる場所を改めて見回して、
俺は口を薄く開く。
なんていうかね。
うん、改めて言うわ。
「……どこここ…」
自分の声に覇気も生気もないことに自分で気づいた。
なんて気づきたくなかった現実…。
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