とりあえず誰か水を一杯くれないか

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いやでも、今のはしょうがないって。 誰でもこうなるって。 だって見覚えも何もない部屋にいるんだし。 そう思考を巡らせながら、 手足に力が入ることを確認して起き上がる。 傷は……ない。 痛いところも特になし。 意識もはっきりしてるし、体や神経に痺れや麻痺もない。 強いて言うなら、 手足の先が少し悴んでるくらいか。 まあ動けないってほどじゃないし、大丈夫だな。 よし、と頷いて再度部屋を見渡す。 板張りの床で、仕切りもなしにすぐそこが、 …………玄関かな。 木戸ですごく年季が入ってる。 隙間風はあそこか… そんで俺のすぐ横、部屋の中心あたりに囲炉裏。 その囲炉裏には、 蓋で中身は見えないが大きめの鍋が吊されている。 囲炉裏… 博物館とかでしか見たことねえや。 俺を挟んで囲炉裏の反対側には、これまた古めかしい襖。 古くてもそれはそれで味があるよね。 俺はけっこう好き。  
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