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「晩ご飯んん?
そんな言い方は知らん。
お前、どんな生活送ってきてんだよ…」
男がその仏頂面にシワを寄せて言葉を返していた時、
鍋からのとは違う香ばしい匂いが鼻をついた。
どこからだろう?
いい匂い…
その食欲を誘う香りに、
じゅるり、とよだれが垂れそうになった時、
ぐきゅるるるるるぅ~くっぽー
「……」
「……」
「……」
「………ぶはっ!」
「笑うな!!」
なに今の音っ!?
とか思ったら負けでっせ。
何を隠そう俺の腹の音ですから。
最後の「くっぽー」を含め、
なんとも不可思議な腹の音に男が耐えきれず吹き出した。
ソレに脊髄反射の勢いで俺が叫ぶ。
顔が暑い。
きっと真っ赤なんだろうな…
くそぅいい匂いにつられてつい…
なんだ「くっぽー」って。
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