大好きな姉さん(完

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男の叫び声を聴いたロリーナ姉さんは、慌てた様子で部屋の扉を開けた。 「どうしたのですかっ!?」 ロリーナ姉さんの瞳に映ったのは、赤色。灰色の服を真っ赤に染めた私。高そうな服を真っ赤に染めた男。ロリーナ姉さんはゆっくりと口を開いた。 「服は汚すなっていつも言っているでしょう!貴女に使うお金はないのよ!あぁ汚らわしい」 そう言いながらロリーナ姉さんは、黒色のスーツを着た数人の男を部屋に入れ、真っ赤に染まった男を外に連れていった。 私はここまで。しばらくはロリーナ姉さんに会えはしない。ロリーナ姉さんが会いに来てれるのは、私を叩く時とお仕事の時だけ。今日もまた、部屋の扉が閉じるものだと思っていた。 だが、違った。 ロリーナ姉さんは扉を閉じずに、私に外に出るように言った。
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