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「アリスさん、残念ですが彼女には貴女はもう必要ないようです。貴女を買い取って貰うように頼まれました」
男は、にこっと女性ならば惚れてしまうであろう素敵な笑顔で、そう言った。私には、偽りの笑顔にしか見えないけれど。
…え。でもちょっと待って、この男、なんて言った?必要ない?買い取る?意味が、わからない。
問いかけるように私はロリーナ姉さんを見た。ロリーナ姉さんは、男の笑顔に頬を染め、見つめていたが、私の視線に気が付けば、イライラとした様子で私に近付いて来た。
「アリス、――さんが言った通りよ。私はもう貴女なんていらない。たくさんの人を殺めた貴女はこの家にいるのがバレたら、名家の名が汚れてしまうのよ」
ロリーナ姉さん…?
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