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「しかし、貴女に何かいったところで彼女が生き返ったりはしません。ただ、このまま引き返したりも出来はしない」
「…ロリーナ姉さんは、渡さない…!」
「………貴女ですよ」
男は、私を見る。私が何なのだ。そう考えていると、男は私に手を差し出した。
「貴女のような汚らわしいアリスを、虹色の世界に連れていくのは嫌ですが、これは世界のため」
「手をとれって…?嫌、私はロリーナ姉さんから離れたりしない」
すると男は、優しい笑顔で私の頭を撫でてきた。いきなりのことに私は肩を揺らす。
「…………、全ては幻なんですよ、アリス」
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