大好きな姉さん(完

11/17
前へ
/57ページ
次へ
「しかし、貴女に何かいったところで彼女が生き返ったりはしません。ただ、このまま引き返したりも出来はしない」 「…ロリーナ姉さんは、渡さない…!」 「………貴女ですよ」 男は、私を見る。私が何なのだ。そう考えていると、男は私に手を差し出した。 「貴女のような汚らわしいアリスを、虹色の世界に連れていくのは嫌ですが、これは世界のため」 「手をとれって…?嫌、私はロリーナ姉さんから離れたりしない」 すると男は、優しい笑顔で私の頭を撫でてきた。いきなりのことに私は肩を揺らす。 「…………、全ては幻なんですよ、アリス」
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加